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CSR/SDGs推進 環境経営支援 2019/10/04

気候変動と世代間対話~若者の声を聴き、信頼関係を構築する~

16歳の少女が、国連で気候変動への対応を非難


スウェーデン人の環境保護活動家 グレタ・トゥーンベリ(16歳)は、2019年9月23日、米ニューヨークで開かれた国連気候行動サミットで演説し、「気候変動問題について行動を起こしていない」として各国首脳を非難しました。
1992年にもセヴァン・スズキ(当時12歳)が国連環境サミットで環境保全への行動を求めるスピーチを行っています。

なぜ若者が各国指導者に堂々と発言できるのか考えてみました。

SDGs・パリ協定の時間軸と責任の所在
SDGsは2030年に向けた社会課題解決のための目標です。13番目の目標に「気候変動とその影響に立ち向かうため緊急対策を取る」があり、SDGsは気候変動対策を包摂しています。
また、パリ協定は産業革命以前に比べた世界の平均気温上昇を、2100年に2℃より低く保つこととしています。時間軸はSDGsよりも長く、パリ協定を踏まえ脱炭素化目標を設定する企業も少なくありません。

若い世代は、自分たちが原因を作ったわけではないにもかかわらず、気候変動をはじめ海や陸の自然破壊、原発事故・放射性廃棄物の処理など、これまで上の世代が原因を作ってきた過去の負債を背負っています。

以下はグレタさんの演説の抜粋です。
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今後10年間で(温室効果ガスの)排出量を半分にしようという、一般的な考え方があります。しかし、それによって世界の気温上昇を1.5度以内に抑えられる可能性は50%しかありません。
 (中略)
この数字は、私たちや私たちの子供の世代が、何千億トンもの二酸化炭素を今は存在すらしない技術で吸収することをあてにしているのです。

私たちにとって、50%のリスクというのは決して受け入れられません。その結果と生きていかなくてはいけないのは私たちなのです。
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今も、そして未来においても、社会課題から逃げることはできません。過去、そして現在我々が積み上げているものの「結果」に直面するのは、若者やさらにその下の未来の世代です。

こう考えれば、若者が各国指導者に堂々と「しっかりやってください!」と声を上げるのは、彼らにとって当然のことといえるのではないでしょうか。

Writer 代表取締役所長 浅井豊司