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【欧州動向】バッテリー規則のデューデリジェンス(バッテリーデューデリジェンス)が延期に
バッテリー規則のデューデリジェンス(バッテリーデューデリジェンス)が延期になる法案(COM(2025)258)が提案・発効されました。
今回発表された法案は、以前コラムに記載したオムニバス法案の一つであり、バッテリー規則の要件の一つであるバッテリーデューデリジェンス要件の延期を行うものです。
2025年5月21日に欧州委員会から突如発表されました。
※オムニバス法案については下記コラムもご覧ください
■コラム「【欧州動向】CSDDDとCSRDの規制内容を軽減するオムニバス法案」
バッテリーデューデリジェンスはバッテリー規則の要件の一つで、2025年8月18日から適用予定とされていました。
しかし、バッテリーデューデリジェンスの第三者検証を実施する「第三者検証機関(notified body)」の体制整備が不十分かつ認定基準が不明確であったことを理由に今回延期となりました。
欧州委員会はこの提案の中で規則の適用開始を2年延期とし、その間にガイドラインや制度の整備を行い、かつCSDDDと整合を図るとしています。
改正案の内容は以下の通りです。
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本法案はもともとの義務適用開始日である「2025年8月18日」までに時間がないとして、欧州委員会から提案された翌日に緊急発効されました。
※バッテリー規則:
バッテリー規則は2019年にEUから発表された「欧州グリーンディール」政策の一環として2023年8月17日に官報掲載(≒発効)された。バッテリー規則にはバッテリーのライフサイクルにわたるGHG排出量を計測・管理するカーボンフットプリント(CFP)のみならずサーキュラーエコノミーに関連する要件やデジタル製品パスポート(DPP)に関する要件が多数盛り込まれた。
フルハシ環境総合研究所では国内外の環境関連の動向についても調査しております。
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研究員 中村晟一朗, 山本涼子