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21世紀大学 2003年9月19日(金)開催報告
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超優良企業はここが違う!
〜事例に学ぶ経営戦略〜 講師:坂本光司氏(福井県立大学 地域経済研究所 教授) 開催日 2003年9月19日(金) 16:00〜18:00 |
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福井県立大学教授の坂本光司氏は、全国6000社以上の企業を訪問し、調査・分析しています。昨今の厳しい経営環境の中でも、顧客の高い評価を受けて業績を長期にわたって伸ばし続けている企業はたくさんあり、これら「超優良企業」には共通 して実践している経営戦略や、共通して有する経営資源や特長・特質があるといいます。 講演では非常に多くの事例があがりましたが、「超優良企業」の共通項について、特に「経営者」について下記に講演録をまとめましたのでご覧下さい。 |
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超優良企業はここが違う〜事例に学ぶ経営戦略〜
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評論家や経済学者が、今日の時代、不況であるとか景気が良くないということを認めることはできますが、しかし、第一線の方々が不況を口実に売上高が下がる、リストラをせざるを得ない、利益が思ったように上がらないというのは、経営者責任であると言い続けています。なぜなら、景気というものは与えられるものではなくて、自らの力で創り出すものだからです。企業経営の極意は、単に環境に適応することではなくて、自らがこれだと決めた市場を創造するという責務があります。市場の創造せずして、業績が高まるはずがありません。市場創造、景気は創るものだという認識が企業経営者には大前提です。もしそう思えない経営者がいるなら、定年を考えた方がいいでしょう。それは、そう思ったその瞬間、起業家精神が欠落してきているということです。その姿勢の元で従う社員はいないでしょう。要は、『超優良企業』はそれほど経営者自身に対してハードルが高く、常に厳しい圧を己にかけているというのが、共通 なところではないかと思います。
2,『超優良企業』とは? 立派な会社を探すと山ほどありますが、表面だけを見て評価するのではなく、なるべく数値価し、長年の現場研究を踏まえ『超優良企業』の基準を5つ決めました。 (1)過去10年以上連続して、売上高が右肩上がりに増加 過去10年以上というのは、好況・不況の影響を受けていないと言うことです。好況であろうが、不況であろうが、見事に市場を創造している。お客様が存在を認めている。好況になると売上が上がり、不況になると売上が下がるのは、不況になるとお客様はビジネスモデルを認めていないと言うことの証明なのです。 また売上高経上利益率が5%以上というのは平均ではなく、連続してです。好況5年10%、不況5年0%で平均5%では意味がありません。好不況にかかわらず、その企業がお客様の高い支持を得ているとは言えないからです。5%にも根拠があります。日本には株式会社・有限会社が200万以上、個人の会社も同じ数あります。日本には社長が500万人いるのです。そのうち70%は赤字です。単純に平均すると2%ですが、赤字でない会社の10年間の平均を調べると5%なのです。 リストラを行ったことがないというのは、私の経営学は人本経営です。企業経営は社員のために存在します。私たちの使命は社員の幸せを念ずることです。社員の幸せのために会社は存在するのです。顧客のために存在するのは二の次です。中小企業ががんばる社員を首にしたならば、おそらく二度と立ち上がれないでしょう。 以上が超優良企業の定量的概念です。5つ全てに該当すれば最高ですが、特にがんばってほしいのは(3)です。過去10年以上連続して、売上高経上利益率が5%以下になったことがない、もっと言うと10%以下にもなったことがない会社は、どこが違うのか、どういう経営を行っているのか、それを虱潰しに調べる仕事を私はしています。『超優良企業』を徹底的に調べたら、ほぼ100%の会社に共通 する共通項が11個ありました。半分の会社に共通するものは20数個ありましたが、ほぼ100%の超優良企業が共通 的に実施している経営学こそが、私たちが学ぶべき、22世紀型ビジネスモデルであろうと考えました。その11個のキーワードは(1)経営者(2)高い志・ロマン(3)独自技術・独自商品(4)人材・人本経営(5)財務力(6)アウトソーシング(7)グローバルスタンダード(8)製販一体(9)ニッチ・小ロット(10)感動サービス(11)全員参加・総力経営です。
3,大きな違いは経営者 超優良企業とそうではない会社の違いの決定的な因子は「経営者」でした。社員の違いはありませんでした。中間管理職の違いはありませんでした。新入社員が優秀だ、優秀じゃないというのは関係ありませんでした。一番はっきりしていたのは、経営者だったと言うことです。経営者の人格、執権、能力と言っていいでしょう。では具体的にどこが違うのか、20違いましたがその中で4つ説明します。 (1)徹底した社員重視(社員を大切にする。顧客重視ではなく社員重視) 公私区分には、人事に置ける公私区分と、会計における公私区分の2つあります。親族以外の人を入れたなら、その瞬間企業は社会的公器になるのです。例えば、食事に行った翌日社長が、経理をしている親族以外のパートの女性に、経費処理しておいてくれと、ファミリーレストランの領収書を渡し、これを会社の経費で払ったら終わりです。その瞬間経理担当はやる気がなくなります。100%の力を発揮しなくなります。何故なら人間だからです。例えば、従業員が10人いて、5人が親族、5人が親族以外のとき、1ヶ月に支払う給料の85%が5人の親族の給料であるならば、これは悲しいことです。そんなに人間は甘くありません。
長野県伊那市にある伊奈食品工業株式会社は、創業以来45年連続で増益、そしてもっと大切なことは、20年以上売上高経常利益率が10%を下回ったことがありません。伊奈食品は寒天を作っている会社です。悪く言えば非常にローテクです。それに付加価値を付けて、45年連続で伸びているのです。この会社の経営理念、社是が正に言いたいことろなのです。「企業の目的は社員の幸せを通 して社会に貢献すること」と書いてあります。売上高を高める売上高責任であるとか、利益を出すということは書かれていません。さらに、「企業は企業のため、経営者のためにあるのではなく、社員のためにある」「我が社にとって人件費はコストではない」「いい会社を創りましょう」とあります。いい会社とは、社員も取引先も、お客様も、いい会社だね、と言って下さる会社のことです。伊奈にいてこの会社のことを悪く言う人は1人もいません。伊奈食品をやめてハローワークに来た人は歴史的にいません。「社員をリストラしなくてはいけない状況になれば、自分自身がやめます。まだやめたくなし、だからがんばらねば」と社長は言います。ここまで社員のことを考えている会社なのです。
5,残業のない会社 静岡県浜松市にある沢根スプリング株式会社も社員重視を徹底しています。この会社は1年間で残業の時間が10時間ありません。実質0です。仕事がないのでしょうか。違います。業績は5%以上の利益を上げています。残業はしないというよりはむしろさせないのです。昔からそうだった訳ではなく、創業した時には二直、三直の経営をしていました。しかし全然儲からないどころか怪我人が続出でした。今は違います。5時終わります。何故終わるのでしょうか。 社是は「一回こっきりの人生」「企業経営の目的は、社員の幸せを念ずること」と書いてあります。「社員が幸せと感じるのは家族団らんの一時です。たった一回こっきりの人生だから、健康でありたい。社員の健康を害するような仕事はさせたくない。そこまでして企業経営を続けたくない。人間は昼間働いて夜は寝るという生物なのだから、それを無理してたたき起こして夜やっても、必ずいつの日か無理がかかる。昼間働いて、お客様の満足度も高いし社員の生活満足度も高い企業にしなくてはいけない」という逆発想だったのです。私たちが幸せだと感じる瞬間はたくさんあると思いますが、沢根社長は「家族団らんの一時」と言いました。「会社が二直三直をさせるというのは、人間の心の癒しの瞬間を、夕食の一時を奪うということではないか。社員の幸せを願う会社が、家族団らんの一時を奪っていいのか」と自分で自問自答したそうです。 結果的に、朝8時から5時までで利益を上げて、社員も普通の生活をする給料を支払わなければならない。そのためには、この程度の単価、この程度の生産システム、この程度の商品の品揃えではダメだと逆発想して、今の経営を行ったのです。人がやれない、やらない仕事をです。 ※2003年9月19日開催21世紀大学 坂本光司氏講演録より
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| ■参加者アンケートより < 本日の講演で一番一番役に立った情報は何ですか?>(順不同) ・「会社は社員のためにある」次に「顧客のためにある」 ・会社を活性化するエキスのようなものを得ることができた。もう少し詳しく本を読 んでみたい。 ・具体的事例が中心であった事が極めて良かった。聞く者にとって理解しやすく、説 得力あり。 ・「売上高・経常利益率が10年続けて5%以上あることが必要」との言葉はポイント のような気がしました。 ・アウトソーシングの話が参考になりました。 ・11の秘訣の中で、経営者に関するもの ・本音の話だったので楽しく聞くことができた。 ・景気は自ら創り出す。環境に対応するだけの企業では生き残れない。 ・経営者の人格・能力について ・超優良企業の共通点と考え方 ・事例をもとに話をされたので、とても理解しやすかった。 ・経営者についての内容 ・データの豊富さに感動しました。また、坂本先生の経営に関する考え方に大変共鳴 しました。 |
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