話題作の映画『アバター』を見た。環境の仕事をする人には是非とも見てほしい。『アバター』はこれまでここで紹介してきたドキュメンタリーものではなく、SFフィクションだ。
簡単に言えば「人間と自然の対立」という使い古されたテーマだが、あらゆるクリエイティブを総動員して環境問題が極まっている今この時代だからこそ、力強く私たちに訴え、迫ってくるものだった。なぜ3Dを使わなければならないか、映画を見ればよくわかる。
私は見終わったあと、動けなかった。息苦しかった。
自分のいる場所は間違いなく人間の側で、とても残念で、切なくて胸が締め付けられた。そして行動したくなるのだ。
映像や物語の力は心の奥底の、人が1番大切にしているやわらかい部分をぐにゅっと鷲掴みにして揺さぶったり、温めたり、時には壊したりすることがある。そう、この映画を見て私の心は気持ちがいいくらい打ちのめされた。意識や行動が、すっと音もなく変わっていく。それは、押し付けや、メリットやペナルティで行動するものとは、まったく次元が違う。
環境の世界でよく言われる。「私たちは加害者であり被害者。」
でも、やっぱりそうじゃない。前提(マインドセット)が間違ってる。私たちが素直に自然の一部になれれば対立しない。共生しかない。
私たちは長い長いトンネルを抜けてようやく自然と共生する時機を迎え、暗く苦しかった盲目の加害者の立場を卒業する。
新しい時代は明るくてまぶしすぎるからすぐに慣れるのは難しいかもしれないけど、尊い命を当たり前に大切にできる時代はすぐそこ、どころか目と鼻の先まで来ている。
『アバター』の緞帳がしまったあと、目を開ければきっと見えるはずだ。私たちの暗い過去と美しい未来が。そしてあなたの決意が・・・。
私たちの前に広がっている現実の3Dを救えるのは私たちだ。そして自然に共生する楽しみを味わえるのもまた私たちだ。
東京事務所 浅井豊司
