2004年2月27日発行
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GMM[Green Mail Magazine] Vol.42
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▼INDEX▼
1.今週の環境ニュース
『風力発電』
2.本日の特集
『リスクコミュニケーション』
~PRTRと環境情報開示~
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1.今週の環境ニュース
『風力発電』
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「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」(以下RPS法)が
2003年に施行され、太陽光、風力など新エネルギー等から発電された電気の一定量以
上の導入が電気事業者に義務付けられた。新エネルギーの中でも風力発電には高い期
待が寄せられている。日本政府は風力発電の導入量の目標として2010年には300万kW
以上を風力発電でまかなうことを目標に掲げている。国の政策を追い風に、日本の風
力発電は2002年度46万Kw、2003年度には73万kWになる見通しである。
日本における風力発電は東京電力とトーメンが出資するユーラスエネジー、荏原系の
エコ・パワーなど企業を中心に進められてきた。現在ユーラスエナジーは、建設中お
よび落札・内定案件をあわせると国内の発電合計が30万4390Kwと日本一の規模を誇
る。さらに海外(米国・英国・スペイン・イタリア)での風力発電を合計すると100
万Kwを超え世界で3番目の規模である。一方で市民を中心とした風力発電がある。市
民が共同で出資をして風車を建設し、発電電力を売った収益の一部が市民に還元され
る市民参加型の風力発電である。日本では2001年9月に自然エネルギー市民ファンド
によって北海道浜頓別町に「はまかぜちゃん」が運転を開始した。こうした市民参加
型の風力発電は欧米では広く取り入れられており、市民が電力政策に自らの意思を示
す方法として大きな意味を持っている。また、横浜市は2006年の稼動を目標に京浜臨
海部に風力発電の2基の建設を予定している。この事業は市民からの出資を利用して
建設費用を募るなど市民参加の形を予定しており、完成後や港のシンボルとして、ま
た環境教育に利用される予定である。風力発電は企業の環境活動としても注目されて
おり、スズキやトヨタ自動車は工場に風力発電の建設を予定している。2004年2月に
は国内初の洋上風力発電が北海道瀬棚町に建設された。風況の良い建設地を探すこと
が困難になりつつあり、洋上風力発電には大きな期待がかかる。
欧州では2003年28,401Mw(1メガワット=100万ワット) が風力によって発電され、そ
の84%がドイツ、スペイン、デンマークに集中している。2004年2月、欧州風力エネ
ルギー協会(EWEA)は欧州風力産業界の風力導入目標値を2010年までに75Gw(1
ギガワット=10億ワット)、 8,600 万人の電力を賄う電力量に引き上げた。今後、
他の欧州国家での風力発電の導入が進む見通しである。イギリスでは10年間で計60億
ポンド(約1兆2千億円)の投資計画が固まっている。また、日本で使用されている風
車はデンマークなど外国製が中心であり、世界的にも欧州メーカーが上位を占めてい
る。しかし、三菱重工業が米国テキサス州にある世界最大規模のウィンドファームに
160基の風車を納入するなど、徐々に実績をあげている。
近い将来、新エネルギーで日本の電力需要の多くがまかなえる日が来るかもしれな
い。
(参考文献)
日刊工業新聞 2002年2月20日
日刊工業新聞 2004年2月11日
日刊工業新聞 2003年2月26日
日経産業新聞 2003年7月11日
日経産業新聞 2003年9月5日
日経産業新聞 2004年1月15日
日経産業新聞 2004年1月16日
日経産業新聞2004年2月12日
日経エコロジー 2004年12月号
自然エネルギー市民ファンドホームページ
(株)ユーラスエナジーホールディングスホームページ
Edie weekly summaries 06/02/2004
http://www.edie.net/news/Archive/8022.cfm
Edie weekly summaries 10/10/2003
http://www.edie.net/news/Archive/7614.cfm
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2.本日の特集
『リスクコミュニケーション』
~PRTRと環境情報開示~
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2003年3月20日、環境省、経済産業省は「特定化学物質の環境への排出量の把握等及
び管理の改善の促進に関する法律」(以下PRTR法)に基づき、事業者から届出のあっ
た2001年度の化学物質の環境への排出量・移動量の集計結果を公表した。PRTR法は
1999年7月に公布され、人の健康や動植物に有害性のある「第1種指定化学物質」354
種類について、事業者は環境への排出量や廃棄物に含まれての移動量の届出が義務付
けられた。PRTRデータの公表により、住民は生活環境に排出されている化学物質の量
や種類を知ることができるようになった。同時に個別の事業所のデータの開示請求も
可能となり、住民は自宅近くにある工場から排出される化学物質について知ることが
できるのである。
PRTRデータの公表に伴い、注目されているのがリスクコミュニケーションである。リ
スクコミュニケーションとは、化学物質による環境リスクに関する正確な情報を市
民、事業者、行政等のすべての者が共有しつつ、相互に意思疎通を図ることである。
データの公表のみでは化学物質の使用に対して事業者がどのような環境配慮や対策を
取っているのかは伝わらない。また地域住民の声に耳を傾けることで、事業者は化学
物質リスク対策に努め、化学物質の使用量削減により積極的に取り組むことができる
のである。
2003年、埼玉県川越市の「かわごえ環境ネット」は市内に事業所を持つ東洋インキ製
造(株)、和光純製薬工業(株)の2社を対象に埼玉県の協力を得てリスクコミュニ
ケーションを実施した。
今回のリスクコミュニケーションは、セミナー、現地研修会(リスクコミュニケー
ション)、報告会の3ステップで構成されている。
事前に実施されたセミナーでは、川越市環境政策課職員や学識経験者が講師となり、
リスクコミュニケーション参加者が川越市の環境計基本画の概要・環境マネジメント
システムの仕組みや環境報告書の読み方・リスクコミュニケーションのあり方など、
リスクコミュニケーションに臨む上で必要な基礎知識について学んだ。
実際のリスクコミュニケーションは工場を訪問し、参加者の質問に企業の担当者が答
えるという形式がとられた。参加者からは、万一の事故時に化学物質が飛散した場合
の有害性や対策などするどい内容の質問もなされた。こうした質問に担当者が直接答
えることで、参加者は詳しい説明を得ることができ、担当者は地域住民の生の声を聞
くことができた。
報告会ではリスクコミュニケーション参加者が意見や感想を交換し、成果と課題が抽
出された。企業の情報提供のあり方、リスクコミュニケーションの進め方や議論の場
の不足に対する議論がなされた。
リスクコミュニケーションの前後に実施したアンケートからもリスクコミュニケー
ションの実施により企業に対する環境リスクの不安が軽減され、企業イメージが向上
したことが明らかになった。工場を公開し、現場の担当者が直接質問に答えたこと
や、過去の事故など負の情報についても隠さず報告したことが地域住民に企業に対す
る信頼や安心感を与えたのである。リスクコミュニケーションに参加した企業は、事
業所の周辺の清掃時にリスクコミュニケーション実施後、住民から挨拶をうけるよう
になったという。このような小さな変化からリスクコミュニケーションが地域住民と
企業の距離を近づけたことが分かる。
環境についての情報公開が地域住民からの苦情につながるのではないか、ましてリス
クコミュニケーションを実施すると、参加者からどんな質問がなされるのか分からな
い、といった意見を企業から聞くことがある。しかし情報非公開や、公開をしても説
明をしないことが地域住民の不安をあおることもある。また企業にとってもせっかく
の環境への取組みや成果をステークホルダー(利害関係者。地域住民、消費者、株主
など)に知ってもらえないのは残念なことである。リスクコミュニケーションを取り
巻く動きにますます期待したい。
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◇◆編集後記◇◆
今回のリスクコミュニケーションの記事には「かわごえ環境ネット」の方々にご協
力をいただきました。
ありがとうございました。
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◇◆お知らせ◇◆
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